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デジタル教育をアナログでする価値

なぜ?アナログなのか。

オンラインまほらboでは、アナログ教材の活用と、対話による指導を重視することを紹介しましたが、それには理由があります。指導のエビデンスを重視するまほらboで掲げる認知科学的アプローチがその理由です。つまり高い学習効果があると考えるからです。


認知心理学の学習に対する考え方を基本にしています。図は、東京大学名誉教授の市川伸一先生が提示されている「人間の情報処理モデル」です。私たちの学習プロセスが分かりやすく示されています。


黄色の網掛け部分が頭の中と考えてください。私たちは入ってきた情報を、持っている知識や思考などの考え方、過去の体験や記憶などに照らして理解(加工)して記憶(保存)します。自分のもつ能力では足りないときは、本やインターネットで調べたり、他者に聞いたりした情報で補って、理解し記憶します。



「わかる」とはどういう状態か

「わかる」「できる」とは、どんな状態なのかをこの情報処理モデルをもとに考えてみましょう。情報が入力されると持っている知識と、考え方や記憶を照らし合わせ理解します。例えば、プリンが目の前におかれると、甘いおやつという知識、過去の食べた「経験」からやわらかい、つるんとした、美味しい、などの情報と卵や牛乳が原料で成長過程には良いという「考え方」から、「好んで食べる」行動(出力)に出ます。これはプリンを理解し、食べるという行動につながるプロセスといえるでしょう。ところが、考え方がダイエット志向になり「糖分の取りすぎは良くない」、過去にプリンにまつわる悲劇的なエピソードがあると、好んで食べることはなくなるかもしれません。まったく逆の行動(出力)になります。またプリンは、 プディングという小麦粉や卵、牛乳、香辛料を使って作られる『蒸し料理』の一部だという「知識」が加わると、世界の豊かな食文化への扉が開かれるかもしれません。



私たちは多感覚で情報を取り入れる。

私たちは、常に複雑な情報処理をしています。カメラやレコーダーはそのまま対象をコピーしますが、人間は先ほどの情報処理を通して取入れます。特に学習による情報入力は多くの場合多感覚を使って行われます。見て、聞いて、書き取って、呟きながら、ある意味多くの身体機能をつかって入力するといえるかもしれません。スライドをみたり教科書を読んだり、ノートにメモしたり、絵を描いたり、先生の話を聴いたり多感覚を刺激しながら行われることが大切で、内的リソース、外的リソースを総動員して学習をすすめることが学習効果をあげると考えています。

これがリアル放課後まほらboでの自然体験や生活体験を基盤にする理由ですが、それがオンラインまほらboでもアナログに拘る理由でもあります。次回は、オンラインまほらboが対話を大切にする理由を解説します。


以上。

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