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自由を体感するには


「奈良での冒険キャンプの物語」

感染症対策を強化しながら、10月から月に一度の「冒険キャンプ」を続けています。

一月の物語。

 2日間という短い時間ですが、子どもたちそれぞれには物語があります。子どもの体験した出来事や印象に残った話などに耳を傾けてくださるよう、ご家庭にもお願いしています。人の成長や変化に大切なのは、周囲が「関心をもつ」ことだと考えているからです。

1月のエピソードの一部を紹介しましょう。


●「自由への入り口」ーコーチから子どもたちへ初日夜のメッセージからー

 最初の半日は、コーチから何度も場所や時間の指示をされていたのが、夜にはコーチが黙って約束の場にいるだけで、集合した班から静かに手が挙がり、次の行動への準備が整っていることが伝えられ、皆でスムーズに行動することができましたね。その結果、1時間近く余裕が出来たので、みなさんが楽しみにしていた友だちとの入浴がゆっくり出来て、冷えた身体も温まりました。みんなの自由時間も増えましたね。


 「自由」は人から与えられるものではなく、自分で獲得することができるのです。

それとは別に、昼の「自由時間」が終わり、次の集合時間に集まっていた人がたったの4人だったことは覚えていますか?ほかの人たちが遊びを止めなかったので、みんなが揃った時間は予定から8分間遅れてしまいました。みなさんは「たったの8分」と思うでしょうか?

 これは時間通りに集合した4人の8分間、つまり合計32分間を、その他の人たちが、奪ったことになりませんか?「時間」は「自由」にとって大切です。


友達から自由を奪う人になってはいけません。

みんなで約束を守るというのは、お互いの自由を守るということなのです。

 夜は、お風呂に入る時間と振り返りシートの提出、就寝時間だけが決まっているだけで、就寝までどのような過ごし方をするのか、自分たちで時間を意識し、声を掛け合い、相談してどうするかを決めましたね。

 あの時、君たちは自由を手に入れたのです。

時間をコントロールするのは自由への入り口です。

 素晴らしい5年生!

君たちはそれぞれの学校で、素晴らしい最高学年になる準備が出来ています。

(話を聴く子どもたちの凛とした姿勢と自信に満ちた眼差しが印象的でした。)

<解説>

 この冒険キャンプは、コロナ禍で学校の宿泊体験である野外活動が中止になった5年生を対象にしています。


 キャンプスタート時点では、子どもたちは一つ一つの行動に許可を求めてっくることが多いです。あるいは次の行動へのコーチからの指示を待ちます。ある意味、集団行動では大切なことですから、当然のように思われますが、映画「ショーシャンクの空に」でこんな場面があります。モーガン・フリーマンが、更生訓練でスーパーのレジ仕事をしている時、店長に「トイレにいっていいですか」と尋ねる場面なのですが「トイレに行くのにいちいち許可を求める必要はない。ここは刑務所ではないのだから。」といわれるのです。

 オリエンテーションでコーチからは「許可を求める必要はない。班の仲間に『トイレにいくね』と伝えておけばそれでいい」と話してありました。行動に許可を求めるのは、迷惑や心配をかけることが多いからですが、それはコーチに対してではなく、共同生活をしている班の仲間に対して向けられるものでなくてはなりません。判断に不安なことがあればコーチに尋ねればいいので、それは許可を求める事ではないと思うからです。冒険キャンプでは、自分たちで考え、相談し、必要なルールを決めればいいと考えています。

子どもたちには、自分の頭で考え、不足している知識や技術、判断に迷うことがあれば他者に相談することができ、自由を自分の力で守れるようになってほしい。冒険教室では、野外生活を通し、民主主義の基本となるそんな力をつけて欲しいと願っています。

それでは。

三宅基之(マネジメントコーチ)


まほらboのご案内 毎週火曜日金曜日。

小学校3年生以上。会場は東京都小金井市です。

教材、材料費などは別途。月2万!

お問い合わせは

オンラインでの受講も可能です。

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