top of page

遊びの研究③/遊びを多面的にみる

更新日:2020年7月23日

三宅先生のブログをきっかけに「遊び」について、

学生時代に遊びを専門とするに至った経緯などについてまとめています。


ところで、みなさん「遊び」ってどんなものか説明できますか?

仕事と対立するもの?勉強の反対にあるもの?

果たして遊びってなんでしょう?

遊びについて少し多面的に見てみましょう。



















(2歳の息子がねこじゃらしで遊んだ結果)


1.人間と遊びの関係

オランダの歴史家のホイジンガが遊びの研究としてはとても有名ですが

ホイジンガは、人間を「ホモ・ルーデンス」(遊ぶひと、遊戯人)と呼び、遊び(ルードゥス)こそが他の動物と人間とを分かつものである

と主張しました。


遊ぶからこそ、人間なのですね。

遊びから文化が生まれたようですよ。



2.遊びの特質

そして、フランスのカイヨワという人は遊びの特徴を下のようにまとめました。

1.自由意思にもとづいておこなわれる。

2.他の行為から空間的にも時間的にも隔離されている。

3.結果がどうなるか未確定である。

4.非生産的である。

5.ルールが存在する。

6.生活上どうしてもそれがなければならないとは考えられていない。


つまり、強制的なものではなく、

始めと終わりがあり

日常の力関係などに引きずられてもいない、遊びを日常にも引きずらない

面白くなるようにハンデを考えたり、ルールは決める


いつも同じ結果でわかりきっているものは、面白くなく、遊びとは言えません。



3.発達段階での遊びの変化ー1

遊びを発達段階で見てみると

一人遊び ー 一人で遊ぶ

平行遊び ー 同じ年頃の子どもと並んで遊ぶけれど関り合わない遊び

協力遊び - 他人と関り合いながらの遊び

群れ遊び ー 小学校3~5年生頃になると、決まったメンバーで複雑なルールの遊びや秘密基地を作ったりする


へと変わっていきますね。



4.発達段階での遊びの変化ー2

感覚遊び  -視覚や聴覚、触覚の感覚を働かせて遊ぶ

運動遊び  -身体を使った遊び。大きくなるとスポーツなどへ。

ごっこ遊び -ままごとなど、真似事

受容遊び  -絵本を読む、お話を聴く

構成遊び  -粘土や積み木、お絵描きなど


年齢によってできる遊び、面白いと思う遊びが違うんですね。



5.遊びの効果

自然の中で遊べば副交感神経が活性化され、リラックス

自然の中で遊んでいい空気を脳に運ぶことができれば、脳のパフォーマンスもあがる

などなど・・・



6.遊びで身につく力 

子どもは遊びながらたくさんのことを学び、成長し、心を豊かに育みます。

「遊びを通して」様々なものを身に付けていきます。

身に付けるものの代表と言えば

社会性、コミュニケーション力、判断力、体力、手先の器用さ、意欲

創造力、想像力、柔軟性、工夫する力、好奇心、探究心、などなど・・・


様々な力がつくと言われています。まさに人間たらしめている力が身につくようです。



7.遊びの三つの側面

三宅先生がnoteに6の身につく力を三つの側面にまとめてくれています。https://note.com/maholab/n/n8db5d9be9bd4

身体的側面

認知的側面

社会的な側面




・・・ということで

簡単にですが、遊びについてさまざまな角度からみてみました。

遊びと言っても色々な見方、切り口がありますね。


遊びとは生きるための日常生活と対置されるもの。

日常の生活が、束縛され、生産的であり、目的をもったものであるのに対して、

遊びは、自由で、非生産的で、目的をもたないものです。



「遊ばなければ」と思って行う遊びはすでに遊びではなくなっています。

これを身に付けさせるために、この遊びをさせるんだ!

と、遊ばせていると、それは遊びではありません。

身につくものも身につかない。(*)


楽しい!と思って夢中で遊ぶからこそ

いつの間にか、自然と身についているもの

それが「遊びを通して身に付く力」です。


人間だから遊びができる、思いっきり遊ぶことができる

「〇〇を育てるために■■の遊びをさせよう」ではない

けれども、確実に得ているものがある、大きく構えておきましょう。

遊びに意欲が向かなくなること、これが一番怖いことです。


目の前の子どもが好きなこと、夢中になれること、

真剣になっていること、笑顔になれることがまさに遊びです。

子どもを信じて、しっかり遊ばせてあげてはどうでしょう?

大人の覚悟が試されていますよ。



*目の前の子どもにつくといいなと思う力を考え、

 子どもたちに合わせた内容を意図的に遊びや生活の中に組み込んでいくのが

「子どもと遊ぶ専門家」たち。

 保育士さんや放課後児童支援員さん、その他子どもの遊びに特化した人たち。

 私たちは、身に付けさせたい力を遊びの本質を失わず、遊びや生活に組み込んでいます。


(あべようこ/べっちゃん)

閲覧数:48回0件のコメント
bottom of page