
森の冒険教室では、野外生活5スキルとしてロープワークに取り組みます。子どもたちが、秘密基地づくりや野外で快適に過ごしながら遊ぶには、とても役に立つスキルの一つです。
実はロープワークと「学び方」には、関連があります。
というのはロープワークを教えていると、苦手な子どもにある傾向がみられるからです。
〇速く結ぼうとする(結果を急ぐ)
〇取り組み方が曖昧(型をもたない)
〇自分流にこだわる(説明を正確にきかない)
〇構造に関心がない(結び目をよくみてない)
〇自分の状態をみない(いま何をしているか)
〇手順と結論をみない(どうしてできたのか)
たとえばロープワークを始めると、結び方を進める手とロープをさばく手の両方を動かす子がいます。これではロープの行き先、結び方が定まらず混乱してしまいます。
ロープワークには、結び方(結ぶ手順)と結び目(正解の形)の確認、そしてセット(形を整え固く結わえる)という3つの段階があります。これがロープワークの型です。
結果を急ぐ子どもは、いきなりくくって固く縛ろうとします。
結び方を確認もせず、結び目が合っているかも見ずに、いきなり固く縛ると、どこで間違っていたかもわかりません。そもそも説明をしっかり聞いていないことが多いので、いまの自分の状態も確認できません。つまりどこで間違ったのかがわからないのです。
しかし、この手順が出来る子は、自分のいまの状態を確認しようとします。そして自分が、どこを間違っているのか、それはどんな説明だったのかを聞き返し、「あぁ~そういうことね」と、呟きながら再チャレンジするのです。すると今度は何となく出来ているような形になったので、結び目を見比べて、確信がもてたら最後はギュッと固くセットします。
これだけでも、その子の「学び方」や、課題に取組む「考え方」に触れることができます。
その時は、まほらboのコーチは、こんなアドバイスをします。
「ほら、やっぱり『最初の説明のところに戻る』とできたね。学校での勉強の教科書や先生のお話しと同じだよ。わからないと思ったら、教科書をもう一度開いたり、先生にもう一度聞いてみたりしてそこに戻ればいい。でも戻るためには、自分は、どこがわからないか、どこは、わかっているかを知る必要がある。学び方を工夫するのは、このロープ結びの練習と同じかもしれないね」
みなさんは、どう感じられるでしょうか。
遊びが上手な子は、このような「学び方」のポテンシャルも高いと、放課後まほらboでは考えています。
でも、それが「学び方」につながると気づいていない子どもや大人が多いようです。
試してみませんか?
遊びを学びに変えるテクニック
次回は、7月の体験プログラム「水の行方を追え!」をテーマにしてみます。
では。
もっちゃん / 三宅基之
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