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ゲームとの付き合い方を決める



教育講演会の質疑応答では、必ずと言っていいほど「ゲーム」の話が出てきます。


  • 子どもが勉強もせずゲームばかりしている

  • 勉強をしていてもゲームのことが気になっている様子だ

  • どこに行ってもゲームを持って行く


24時間365日ゲームのことばかり考えているお子さんについて、どうしたらいいか、ちょっとこのあたりで、決めませんか。


子どもとゲームの話をする時に除外する人


まず、ここで除外すべき人があります。病気の場合です。

WHO(世界保健機関)による国際疾病分類の最新版「ICD-11」で、いわゆるゲーム依存が「ゲーム障害」の病名で依存症分野に加わりました。この疾病分類は2022年から適用となります。


ゲーム障害は次のように定義されています。

(1)ゲームをする時間や頻度を自ら制御できない (2)ゲームを最優先する

(3)問題が起きているのに続ける

これらの状態が12カ月以上続き、社会生活に重大な支障が出ている場合


もし、お子さんがこういう状態なら、私のブログを読まず、まずは精神科などの医療機関を受診してください。手遅れにならないうちに、専門家の指示に従ってください。



自分のせい?とママが思っている場合は?


もう一つ気になるのが、ママが「私のせいでこうなったのでは?」と気にしている場合です。まあ、今この文を読んで「え?そんなことあるの?」と思った人は、ある意味大丈夫(笑)

「赤ちゃんの時に、ぐずりそうになったらスマホを見せていたことが原因?」と思っている人、つまり、繊細で心配性の人に向けては、私は様々なところで発言していますが、自分だけで子育てしないことだと回答しています。親の影響の割合をできるだけ少なくするような子育てが大切。親と学校の先生以外の第三の大人と多く関わらせる環境を作る。これが親の役割でもあり、ある意味、健康的な責任回避術でもあります。

「子どもの前でスマホを見るな!」なんていう記事を書いたこともあります。それはゲーム依存の素地を作ることを心配した意見ではなく、「あなた、目の前の人とコミュニケーションをとりましょうよ」という記事でした。このことについてはまたいつかどこかで。



文化としては理解すること


次に、文化としてのゲームについてですが、いまひとつ高尚な感じがしないので、いやだということがありますね。これはもう、過去の例を見れば分かります。私の32年の教育歴の中でも、似たような問題はあり、そのたびに質疑応答に登場してきました。「テレビ」「漫画」「アニメ」がその前身ですね。

私は、テレビを見ると頭が悪くなると言われた世代です。特にドリフね(笑)

漫画もかなり問題になりましたね。

アニメなんかもっとひどい扱いでしたよね?

では、今はどうですか?

テレビも漫画もアニメも文化として成立し、仕事にしている人について、理解できるはずです。ゲームも同じです。特に日本の漫画やアニメ、ゲームは世界でも人気があります。


要は付き合い方の問題


依存症ではなく、文化としても理解はしている。でも子どもが冒頭のような状態の場合


  • 子どもが勉強もせずゲームばかりしている

  • 勉強をしていてもゲームのことが気になっている様子だ

  • どこに行ってもゲームを持って行く


親として少し気になりますよね。「このままでいいわけではない」とうっすらと感じながらも、何の手も打ってこなかった、または注意して終わり(しかもほとんど不成功)という状態かと思います。私は3つの提案をします。


ゲームを仕事にする人になる

 そんなにゲームが好きなら、ゲームの会社に入ればいいです。そのためには様々な力が必要になります。英語、数学、プログラミング(プログラミングする人にならなくても)、コミュニケーション能力、企画力、編集力などなど。勉強する場所は学校以外にもあります。ゲーム会社は日本にもありますし、世界にもあります。好きなことを仕事にできるなんて素敵ですよね。そしてね、お父さん、お母さん、結果的に「ゲームを仕事にする人」になれなくてもいいんです。そこで培った「学び方」「勉強の仕方」もっと具体的に言うと「物を調べる方法」「人に尋ねる方法」「見学を予約する方法」「必要なお金を貯める方法」「同じ気持ちの仲間を作る方法」などなど、これらは、目的が変わった時に、横展開できます。

よく、卒業文集に書いてあった夢が叶ったみたいな有名人もいますが、そんなことにこだわらなくてもいい。40代で転職して天職を見つける人もいる時代、小学校の卒業文集に書いた職業なんかどうでもいいです。

徹底的に好きなことにのめりこんだ経験、これはになります。運動部の子が引退後少しへこんでも、受験勉強時にググっと成績を上げられるのは、横展開の良い例です。今まで運動で工夫していたところを勉強でも応用できるのです。

 また「プロゲーマー」という選択肢もあります。今や年収2,000万円以上の人も。共働き家庭の年収より多くないですか? そして、未来には、今存在しない仕事も出てきます。「ゲームをしてお金を稼ぐ人なんて……」とか「そんなのは一握りの人。うちの子は無理」とか、思っている人は頭が固い。ここ数年の社会の動きを見れば分かるはずです。将来なりたい職業で「ユーチューバー」が上位を占めます。これは現実ですし、実際、そうなるかもしれません。でもそういう未来にならないかもしれません。頭の固い人が分からない未来を決めつけるのはナンセンスです。「うちの子は無理」なんて論外。こんな言葉を絶対に子どもの前で言わないでくださいね。子どもの可能性を瞬時につぶす可能性がある呪いの言葉です。



クリエイト側に回る


落合陽一さんや堀江貴文さんは、子どもの時にゲームにはまり、販売されていたゲームをやりつくし、その後、他に自分のやりたいゲームがこの世になかったので、プログラミングを始めたそうです。そちら側に回ることを将来の夢にすることもできますよね。その場合も、子どもの興味を見極め、その環境をできる限り整えてあげてみてください。できるだけでいいんです。そして、ここでも必要なのはプログラミング力だけではありません。もしかしたらダンスもピアノもサッカーも役に立つかもしれないのです。大人の古い頭で考えて出てくる関連性とは全く違うことが起こりうる未来。もう「好きなことやれ!」でいいということが分かると思います。冒頭の二人は様々な世界で幼少期の経験を横展開している例です。



コントロールする側に回る


 それほど没頭しているわけではないし、仕事にする気もないみたい。というタイプは、ただただはまっているだけです。ゲームには子どもを夢中にさせる設計があります。子どもと言うより、大人もはまるんじゃないですか?

 私は電車の中でゲームをしている大人をよく見かけますよ。時間つぶし、ストレス解消でしていることがほとんどかと。ちなみに私はゲームをしませんが、それは暇な時間にもすることが決まっているからです。「有香さん、それは暇な時間とはいわない」と笑われますがね。私は、ゲームにはまったこともあるので、その怖さを知っていて、そもそもスタートしないことに気を付けています。テトリスが出た時は2徹して、もう少しで死ぬところでした(笑)また「ミスト」という脱出ゲームにはまり、食事も取らなかった経験もあります。人のこと言えませんね(笑)それくらいゲームとはそういう設計になっているということです。

 その場合は、コントロールする側に回ることです。ゲームは世界のすべてでもなんでもなく、人生の中で出会う娯楽の一つだと知ること。時間を決める、ルールを決めることも大切ですが、ルールにすると破った時の快感も付いてきてしまい、親に隠れてこっそりしてしまうこともあるでしょう。まずは本人が他に好きなことをたくさん見つけ、ゲームはその1つだと位置づけることが大切。どうですか? 学校と塾とでいっぱいいっぱいで、ゲーム以外の娯楽をする時間を作っていないことはありませんか? そうなると、親もついつい「塾でがんばっているんだからゲームくらい」なんて思ってしまいます。



もっと体を使うゲームを


 子どもは、本来、体を動かすことが大好き。じっとしていない生き物です。木登り、土いじり、もっと整った環境ですがキャンプでもいいです。ゲームより楽しい世界を体験すること。

 自然に触れることも、最近の子どもに大きく欠けている点です。自然はそのすべてがゲーミフィケーションの素地になります。スリリングでエキサイティングで先が見えない世界、主体的にならないとヤバイ(笑)世界が電源なしでそこにあります。

 以前、普段はゲームばかりしている子どもたちを自然体験に連れて行ったことがあります。子どもたちは夢中になって、野山を駆け回り、海に飛び込み、畑で泥まみれになり、くったくたになって寝ました。ゲームなしで、思い切り楽しく過ごせるのです。そして、ゲームにはない「成長」をお土産に保護者のもとに帰っていきました。

 子どもが、自然から切り離され、長時間机の前にいるように強いられて30年ほど経ちました。その間、子どもの新しい病気も増えました。成人病になる子がいたり、精神に異常をきたす子もいます。免疫系の病気は顕著に増加しています。その原因の一つが、自然から子どもを切り離したことによるものです。

 自然の中で、危険と隣り合わせの中で遊ぶ。それは心配かもしれません。その場合は、そういうことに夢中になっている大人がいるので、連れて行ってもらうといいでしょうね。

それでも心配な人はそういうプログラムがあるイベントに参加させてもいいでしょう。


大人がしかける遊びには設計が必要です。私たちまほらboにもその設計がありますし、経験もあります。今はコロナのせいで出かけられていませんが、これまた横展開で、オンラインでもいろいろ挑戦しています。


こちらも読んでみてくださいね。

「危険な遊び」のビックリ効果


冒頭に登場した教育講演会の様子と全質疑応答についてはこちら

講演会の様子

質疑応答1

質疑応答2



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