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魔法の作文:事実と感想を分ける



国語担当のゆか先生です。

前回のブログで、10月のテーマだったものについて書きました。


不平等について深く思考する機会は、小学生ではなかなか持てないと思います。ましてやそれに関する文章を書くというのは、少々ハードルが高いですよね。

でも、まほらboでは、様々な方法を伝授しています。今回教えたのは「事実と感想を分ける」という方法。これでどうして深い思考をすることができるのか、分かりますか?


読書感想文でも学校行事の後の作文でもそうなのですが、子どもが作文を書くと、どうしても事実の枚挙になってしまうのです。

例えば、読書感想文だと、誰がどうしてどうなったという、あらすじばかりの文章になってしまいますし、学校行事の作文では、まずこれをして、次にこれをしてという、行程表の文章化のような作文になってしまいます。皆さんにも心当たりはありませんか?


でも、事実と感想を分けようと伝えると、急に「あれ?私の感想は何だ?」となるわけです。今回の不平等では、黒人と白人の平均年収は1.7倍の差があること、日本ではジェンダー格差が特に政治でひどく、女性議員が23人中2人しかいないこと、障害者差別解消法を作ったけれどいまだに不平等を感じている障害者がいることを伝えました。これらはすべて「事実」であって、「感想」ではありません。


最初のうちは「ひどいと思います」とか「良くないと思います」などのような幼稚な答えしか出てきません。それは当然です。なぜなら考えたことがないものについては、言葉が生成されていないからです。思考の言語化ができていないということです。でも「事実と感想を分けようね」と伝えると、初めて思考の言語化に取り組むことになります。


また、思考方法についても指導します。一つ一つに感想を書くのではなく、今回の課題である、人種差別、ジェンダー格差、障害者の不平等を俯瞰的に見るようにうながしました。これらはすべて人間がしていること。何がどうなってこんなことになっているのか。「このままでいいわけがない」と感じるのはなぜか。どうしたら全部ごっそり解決できる? 子どもの視点のレイヤーをぐいっと持ち上げます。


今回は次のような感想が出てきました。


私は、その人の気持ちになったらいいと思います。

たった1行でしたが、素晴らしい思考の産物です。「ひどいと思います」とは雲泥の差です。人の気持ちになることは、想像力、共感力がないとできません。でも、逆に、できるのは人間だけですね。そう話すと「そうそう!」となります。この瞬間、この子は自分の思考を確固たる言語に変えました。もちろん、日々の生活に流され、今回出た感想の文言は忘れてしまうかもしれません。でも、ここで体験したことは、確実に彼女の心に「思考の言語化」という一つの種を植え付けました。そこからさまざまな思考が育つことを私は確信しています。


まほらbo後期始まりました。

毎週火曜日金曜日。小学校3年生以上。会場は東京都小金井市です。

教材、材料費などは別途。月2万!

お問い合わせは

オンラインでの受講も可能です。

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